『ぴょんぴょんとにゃんにゃん』





ぴょんぴょんとにゃんにゃんはとても仲良し




ぴょんぴょんはにゃんにゃんの事がとても大好きで

にゃんにゃんはぴょんぴょんの事がとても大好きでした




でも

にゃんにゃんはぴょんぴょんの人懐っこい性格がとても嫌でした

なんでもない人とでもすぐ友達になってしまうので、とても心配してしまうからです




にゃんにゃんはぴょんぴょんの事が大好きなので、その事をすぐに怒ってしまいます




『にゃんにゃん!あんまりなんでもない初対面の人と仲良くなりすぎるなよ!』




ぴょんぴょんもまた

にゃんにゃんに怒られる事が嫌いでした

それはにゃんにゃんの事が大好きだから、一緒にいる時は楽しく過ごしたいからです

でも、ぴょんぴょんもやっぱりにゃんにゃんに怒られると怒ってしまいます




『もういいもういい説教なんて聞きたくない』




二人はとても好き同士なのにケンカが絶えませんでした

好き同士だからこそケンカが絶えなかったのかもしれません




そんなある日

ぴょんぴょんが急に倒れてしまいました




びっくりしたにゃんにゃんは急いで病院に連れて行きました




先生が言うにはちょっと体調を崩しただけとの事でした




安心した二人が帰ろうとしたとき

先生がにゃんにゃんを『特別な薬を渡すからちょっと来て下さい』と呼び止めました




先生についていったにゃんにゃんは驚きました




『ぴょんぴょんは、あと三ヶ月の命です』




にゃんにゃんはどうしていいかわからず一人で泣きました




そして、ある事を心に決めました




『ぴょんぴょんは僕と楽しく過ごしたいんだ、だからにゃんにゃんが死ぬまで、ケンカはしないでおこう』




その日からにゃんにゃんは変わりました

いつも二人で楽しむ事だけを考えるようになりました

すると

ぴょんぴょんも変わってゆきました

いつも楽しいにゃんにゃんの言う事をちゃんと聞くようになりました




二人はさらに変わってゆきました




素直に言う事を聞くようになったぴょんぴょんの事をにゃんにゃんは思いやるようになりました

ぴょんぴょんはぴょんぴょんで、思いやってくれるにゃんにゃんの事を気遣えるようになりました




二人は楽しく過ごしました




毎日を楽しく過ごせるようになりました




そしてそれは




はかなく終わりました

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